あまり語られない。ダイビングのリスクとオープンウォータ講習の内容とは?

レスキューダイバー講習

ダイビングって本当に安全?始める前は誰もが思うことでしょう。今回はダイビングにおいてどのようなリスクがあるのか、実際に経験した体験談なども含めてお伝えしたいと思います。ダイビングライセンスを取得している方もそうでない方も今一度ご覧いただき、安全意識を高く持ちたいですね。※写真はトレーニングシーンです

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ショップオーナー|ソウイチ
通称リスクジャンキーとも呼ばれ、基本的にリスクを感じないと生きている実感の湧かない変人。だからこそ語れる、安全意識をお伝えしたいと思います。

オープンウォーター講習の理念と実施内容

まずはオープンウォーター講習とはどのような理念なのか、また講習の全体のアウトラインから実際に水中で行う具体的なスキルなども解説していきます。それぞれがなぜ必要で、どのような価値があるのかを解説していきます。

オープンウォーター講習では何を学ぶの?

一言で完結してしまうと海で死なないダイバーになるためのスキルです。 ちょっと過激な表現になってしまいましたが、海で事故を起こさないダイバーになることがオープンウォーターコースの最大の目的であり、このコースの本質になります。

サーフィンやスノーボート、登山など自然を相手にする遊びでは一定のリスクが生じることは言うまでもありません。知識不足、または技術不足、この二つが重なった時に事故が発生します。オープンウォーター講習ではダイビングに置ける潜在的リスクを知識として学び、トラブルに直面した時に対応する技術を習得することが目的です。

ダイビングで忘れてはいけない3つのリスク

これからダイビングが持つ潜在的リスクの例を挙げていきます。ダイビングをやったことのない方にリスクばかりお話してしまえば余計な不安を抱かせてしまうかもしれないという懸念もありますが、それらのリスクはどれも簡単な方法で回避することが可能です。ダイビングをこれから学びたい方に対して良い面ばかりをプロモーションするのは簡単ですが、本来オープンウォーター講習とはリスク回避のための講習なのです。それでは具体的にダイビングではどのようなリスクがあるのかをここで挙げてみます。

エア切れのリスク

スクーバシリンダーのエアを使い切った状態をエア切れと呼びます。ダイビングをする以上必ずついてくるリスクですが、正しい計画の立て方と、簡単な習慣で防ぐことができます。万が一エア切れになってしまった場合は速やかに対応する必要があります。

レスキューダイバートレーニング
なぜエア切れは起こるのか
エア消費の速度は人によって様々です。体格の大きな男性の方、運動量が上がった時、息が上がってしまった時など時はエアの消費が早くなります。どんな状況であれ残圧確認を怠ることによってエア切れが起こります。ダイビングでは自分の残圧をこまめに確認して常にどれくらいあるのかを把握しておかなければなりません。
対処法は
ダイビング前、ダイビング中と常に残圧を確認しておくことでエア切れを防ぐ事ができます。自分のエアだけでなくバディのエア状況も互いに確認しつつ、計画の段階でエアの残量によるダイビングの折り返しポイントを決めておきます。それでも万が一エア切れになってしまった場合はバディからエアをシェアしてもらいます。
エア切れにならないように管理するのはもちろんですが、オープンウォーター講習ではエア切れの疑似体験、バディからシェアしてもらう時の対応、単独で浮上する方法などをトレーニングしていきます。

溺れのリスク

私たちはレギュレータという呼吸源を使って水中を泳ぎます。常に水を誤飲するリスクがあり、正しい呼吸と安定したメンタルが求められます。経緯は様々ですがダイビング事故の原因として一番多いのが溺れになります。

レスキューダイバートレーニング

レスキューダイバーコースではリアルな事故現場を想定したトレーニングを行います。ここまでトレーニングを受けるとダイバーとしての自信も身についてきます。

なぜ溺れるのか
溺れの原因は色々とありますがその一つとして、正しい浮力のコントロールができないことが挙げられます。水面にいながらマイナス浮力の状態でいると、いずれ溺れを招いてしまいます。
対処法は
この状況でまずはじめにやらなければならないのは「浮力の確保」です。ダイビングでは自分の浮力を自由にコントロールすることができます。海に入る時、水面に上がった時、ボタンひとつで浮力を確保する。たったこれだけで大半の溺れは防ぐことができます。

減圧障害のリスク

ダイビングなど高気圧下で作業するにあたり「減圧症」というリスクが存在します。時に重度の障害となりますので予防しなくてはなりません。

なぜ減圧症になるのか
簡単に説明すると気圧が急に下がることによって体内に気泡が生じて神経や関節などに障害をもたらした状態です。正しい知識を身につけず無理なダイビングをしたり、器材の使い方が分からず急浮上したりすることが原因の一つです。
対処法は
安全にダイビングできる計画を立て、計画に沿ってダイビングすることが一番の予防になります。講習では減圧症を防ぐためのダイビングの方法を学んでいきます。
ダイブコンピュータ
減圧症にならないよう体内の窒素圧を管理してくれる器材です。講習では実物を見ながら使い方を覚えていきます。

ここまで3タイプのダイビングにおけるリスクを解説しました。講習では更に掘り下げ実技を踏まえながらトレーニングしていきます。この他にも数々のリスクヘッジを学んでいきます。どのリスクにおいても正しい知識と、トレーニングによって回避することができます。ダイビングインストラクターでさえ、最初は泳げなかったということも少なくありません。トレーニングを積んでいけば泳げない方でも、ある程度体力の無い方でも事故を起こさないダイバーになることができます。ダイビングを趣味にするには命を賭けるのではなく、正しい知識とトレーニングに費やす時間とお金をかけることが必要になります。

実際に遭遇した事故例
この記事を書いた人
ソウイチ
つい先日のことですが、心肺停止状態のお客様と遭遇し(当店のお客様ではありません)僕がレスキューに当たりました。ちょうど一週間前にレスキュートレーニングをしていたこともあり、素早く正確なレスキューを実施でき、幸い意識を戻すことができました。PADIレスキュー講習で練習するシナリオという課題がありますが、現場はまさにこの通りの展開でPADI教育システムの価値を改めて感じました。

最終的に危険を回避できる能力が求められる

このページを最後までご覧になっているあなたは、安全意識が高く、責任感の強い方と察します。最後に僕の持論にはなってしまいますが、リスクと安全管理についてお話しさせていただきます。

私たちインストラクターはいつでも加害者として裁判に架けられるリスクを背負いながら、事故を起こさぬよう細心の注意を払ってお客様と向き合っています。僕自身インストラクターとして活動して15年になりますが今まで無事故で、一度もお客様を危険な目に晒すことなくここまでやってこれました。

安全管理に対する意識は高いと自負していますが、ここまでこれたのはお客様のレベルが高いからだと思っています。オープンウォーター講習から始まるダイビングのトレーニングですが、ライセンス取得後も積極的に安全に潜れるトレーニングを推奨し、実施していただいてます。トレーニングをお客様自身が喜んで挑戦してくれる、そんなお店がサンライズです。お客様がダイビングをもっと好きになってもらう工夫をして、もっと上手くなりたいと自らが思ってもらえるような魅力的なメニューを用意しております。真剣にダイビングを学びたい方、安全に潜りたい方はサンライズへお越しください。あなたのレベルアップに貢献できるはずです。

最後にお伝えしておくことは、ダイビング事故はゼロではありません。しかし交通事故に遭う確率より低いとも言われています。僕自身も登山やサーフィンなどを楽しみますが、そちらの方が遥かに危険度が高いです。なので必要以上に怖がらずにご参加ください。

オープンウォーターコース詳細